今回の記事ではRedashをさくらVPS上に構築するノウハウを共有します。
Redashに関しては以前にも何度かノウハウをご紹介していますので、そちらを参考にして下さい。
Redashでビジネスデータを管理しよう-ユーザ登録編
さくらVPSとは
さくらインターネットが提供するVPSサービスです。
さくらのVPS
VPSとは、サーバ仮想化技術を用いて、利用者ごとに仮想サーバを提供するサービスのことです。
レンタルサーバとは異なり、利用者には独立したサーバが提供されるため、ユースケースに応じて自由にソフトウェアをインストールすることができます。
Redashでは、Nginx, gunicorn(Python), PostgreSQL, Redisを利用するため、一般的なレンタルサーバ上では動かすことができません。
しかし、VPSであれば、これらのソフトウェアをインストールして利用することができます。
インストール手順
1.VPSの選択
今回は、さくらVPSの 2Gプラン SSD 50GB を利用します。
基本サービス仕様 | さくらのVPS
Redashのドキュメントによると、AWS の t2.small インスタンスのサーバ性能であれば、動作するのに充分なようです。
Setting up a Redash instance | Redash Help Center
この情報を元に、さくらVPSのプランを選択しました。
VPSの契約が終わっていればVPSのコンソールにサーバが追加されています。
サーバに名前を設定して、おきましょう。
契約した「名称未設定」となっているサーバをクリックすると、サーバ個別情報のページが表示されます。
画面右上の「各種設定」 から「サーバ情報編集」を選択します。
用途が分かるように適当な名前を入力しておきます。
2.OSインストール
VPSにOSをインストールします。
Redashでは、Ubuntu向けにインストールスクリプトが用意されています。
https://github.com/getredash/redash
このスクリプトをそのまま利用したいので、今回は Ubuntu 16.04 をインストールします。
サーバ個別情報のページ右上にある「各種設定」から 「OSインストール」 を選択します。
下図のダイアログが表示されるので、「標準OSインストール」をクリックします。
ダイアログが切り替わるので、下図の様にインストールOSを選択して、パスワードを設定します。
インストールが完了したら、サーバにSSHでログインしましょう。
SSHする際のホスト名もしくはIPアドレスは、サーバ個別情報ページ左上に表示されています。
下記の様にsshコマンドを実行して、先ほど設定したパスワードを入力すれば、サーバにログインできます。
ssh ubuntu@ホスト名
3.Redashのインストール
サーバにログインできれば、あとは基本的には Redash の プロビジョニングスクリプトを実行すればいいのですが、下記2点について注意が必要です。
- ロケールを設定する
- 80番ポートを開放する
ロケールの設定
ロケールを設定していないと、プロビジョニングスクリプトを実行した際に、 locale.Error: unsupported locale setting
というエラーが発生して、失敗してしまいます。
下記のコマンドを実行して、ロケールを設定します。
$ sudo apt-get install language-pack-ja
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
もし、この手順を飛ばしてプロビジョニングを実行してしまった場合は、一度 /opt/redash
ディレクトリを削除してから、再度実行して下さい。
プロビジョニングスクリプトの実行
下記のコマンドを実行して、プロビジョニングスクリプトを走らせます。
$ wget https://raw.githubusercontent.com/getredash/redash/master/setup/ubuntu/bootstrap.sh
$ chmod 755 bootstrap.sh
$ ./bootstrap.sh
80番ポートの開放
デフォルトで iptables が有効になっており、外部からのHTTPアクセスが弾かれてしまいます。
下記コマンドで、80番ポートを開放します。
$ sudo /sbin/iptables -I INPUT 5 -p tcp -m tcp --dport 80 -j ACCEPT
iptables の設定については、さくらのサポート情報にも記載がありますので、こちらもご確認下さい。
iptablesの設定方法 | さくらのサポート情報
以上で、Redashのインストールは完了です。
ローカル環境から、ブラウザでサーバへアクセスしてみてください。
Redashの初期設定ページが表示されれば、インストールは成功です。
まとめ
今回は、 Redash をさくらVPS上に構築する手順をご紹介しました。
Redashを利用するTipsは過去に本ブログでいくつか紹介していますので、こちらも参考にしてください。
また、ShareWisでは下記のような講座もあります。
Redashの活用と併せてどうぞ。
ビッグデータビジネスを理解したい【初級編 データ分析プロジェクト概論】
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