ビジネスモデルキャンバスで最も重要な項目といえるバリュープロポジション。
けど、このバリュープロポジションって言葉、分かったようで分からない感じがしますよね。
バリュー + プロポジションなわけですから、ただのバリューではないわけです。
で、プロポジションって何!?
今回はそんなバリュープロポジションについて解説します。
バリュープロポジションの意味
バリュープロポジション (value proposition) を日本語に直訳すると、価値提案、提供する価値という意味になります。
単に「価値」バリュー (value) ではなく、わざわざ「提案」「提供する」を付けてバリュープロポジションと言うのでしょうか?その理由について説明します。
例えばものすごく多機能な冷蔵庫があったとします。
機能そのものはバリュー、価値なんですがそれが誰も欲しがらない機能だったら、その価値はどこにも届いていないことになります。
どこにも届いていない価値ではなく、その価値を欲しい相手がちゃんといて、その相手に届く価値である、という意味で提供する価値、バリュープロポジションと言います。
間違ったバリュープロポジションの設定の仕方
重要なことは、相手にちゃんと届いている価値こそがバリュープロポジションであり、製品やサービスそのものはバリュープロポジションではないということです。
例えば、チョコレートメーカーが
「自分達のバリュープロポジションは、チョコレートだ。」
というのは適切ではありません。
チョコレートは製品そのものです。
顧客に提供する価値を高めていくことがビジネスモデルを回していく上で重要です。
もしチョコレートそのものが価値の場合、価値を高める、イコール「チョコレートを高める」ことになります。「チョコレートを高める」というのは意味がよく分かりませんね。
「チョコレートを高める」が意味するものを「チョコレートの製造量を増やす」と定義したとしても、チョコレートを作りまくって、その価値が誰にも届かなければ売れ残って倒産してしまいます。
また、「チョコレートの品質を向上させる」と定義しても、その向上させた品質が顧客に届かなければ、高品質な原料を使ったことで原価が高騰し、これまた倒産してしまいます。もし、このチョコレートが、安くてそれなりの味だから売れていたチョコレートであれば、品質重視の路線に切り替えることは、顧客が求めていたものからズレることになってしまいます。
そのチョコレートがなぜ買われるのか、という部分は、チョコレートそのものが理由になることはなく、チョコレートが提供する価値にあるということになります。
バリュープロポジションの具体例
商品やサービスそのものがバリュープロポジションでなければ、具体的にどういうものがバリュープロポジションに当てはまるのでしょう?
バリュープロポジションの具体例として、次のようなものがあります。
- 利便性
- ブランド、ステータス
- お得感
- コスト削減
- リスク低減
とても便利だったり、もっているだけで高級感を感じることができたり、安くすませることができて顧客がお得感を感じているならば、それこそがバリュープロポジションです。
また、その商品やサービスを利用することで、コストを削減できたり、何らかのリスクを減らせるのであれば、それもバリュープロポジションに当てはまります。
いかがでしたか?
ご自身が携わる事業について、それが最終的に顧客に提供している価値「バリュープロポジション」は何なのかを改めて考えてみましょう!
バリュープロポジションをが何であるかを定義し、ビジネスモデルキャンバスを組み立てることは、事業の構想を整理する上でとても役に立ちます。
ビジネスモデルキャンバスを作る最初の一歩として、ビジネスモデルキャンバスの構成要素が何で、どのように作るのかを、以下の90秒の無料解説動画で学んでみましょう!
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