地球が星まるごと凍ってしまう…。
悪い冗談のように聞こえますが、なんと、最新の研究で、そのような地球全体が凍ってしまった状態が、過去に少なくとも3回あったと推測されています。
全球凍結 スノーボール・アース仮説とは
地球全体が凍った現象は全球凍結と言われています。
英語ではスノーボール・アースと言います。
もちろん人類は未だかつて全球凍結を経験したことがありませんから、人類が全球凍結を観測したわけではありません。しかし、地層や化石の研究から、過去に少なくとも3回(約22億年前、約7億年前、約6億年前)全球凍結が起こったことが推測されています。
凍った地球はどんな世界だったのか?
地球の気候は気温の変化から3つの期に分かれると言われています。
- 寒冷期
- 温暖期
- 超寒冷期
この内、全球凍結が起こったのは、超寒冷期です。
ちなみに地球温暖化が叫ばれる現在は、実は寒冷期です。温暖期は恐竜がいたような時代で平均気温が60℃ほどだったと言われています。
この超寒冷期では、北極や南極だけでなく、地球全体の全ての海が凍ってしまいます。
それもそのはず、平均気温はマイナス50度、熱帯の赤道付近でも平均気温はマイナス20度という寒さです。
めちゃくちゃ寒いのでほとんどの生物が死滅してしまったと考えられており、実際に化石にもその証拠が表れています。
しかも、全球凍結が続いたのは1年や2年ではなく、数千年は凍ったままだったと言います。
今の地球から考えると想像できないような状態ですね。
全球凍結が生命の進化を促した?
地球全体が凍りつき、ほとんどの生物が死滅する世界。
地球、とりわけ生物にとって最悪のイベントのように思われますが、実は全球凍結は生命の歴史において非常に重要な意味を持っています。
実は、そのような過酷な環境が、生命の進化を促したのではないかと言われているのです。
というのも、原核生物が真核生物に進化したタイミング(約22億年前)、そして単細胞生物が多細胞生物に進化したタイミング(約7億年前)が、どちらも全球凍結の直後だからです。
生物の進化を考える上で、非常に重要なこれら2つのイベントが、どちらも全球凍結の後に起こっています。凍った地球という過酷な環境にさらされたことが、生命の進化を促すきかっけになったのではないかと考えられています。
辛い経験が今の自分の糧になっている。
実は地球や生命の歴史のレベルでも同じことが言えるのかもしれませんね!
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