ファインディング・ニモで有名なカクレクマノミ。
実はかなり変わった生態なんです！
カクレクマノミは全てオス（仮）として生まれる！
さっそくですがまずはカクレクマノミの性別のお話。
カクレクマノミの雌雄（オスメス）の見分け方はご存知でしょうか？
例えば、孔雀（クジャク）は派手に広げている方がオス、地味な方がメスというのは有名ですね。
メダカも背びれ、尻びれに特徴があり、見分けるポイントがいくつもあります。
ではカクレクマノミはというと、実は見分け方はありません！
というのも、カクレクマノミは、生まれたときはみんなオス（仮）なんです！
そうなると、困るのは繁殖です。
オス同士ではもちろん繁殖はできません。
卵を産むのはもちろんメスです。
カクレクマノミにも当然メスが存在します。
では、メスはどうのように生まれるのでしょうか？
群れの中で一番大きいヤツがメス化する！
カクレクマノミは群れで生活します。
成魚になった群れには、大小さまざまなサイズのカクレクマノミがいます。
なんと、その群れの中で一番大きいカクレクマノミがメスに性転換するのです！
そして、その群れの中で2番めに大きいカクレクマノミがオス（仮）からオスになります。
このオスとメスの2匹が繁殖行動を行い、子どもをのこしていくのです。
群れで交尾できるのは2匹だけ！
ちょっと待ってください。
- 群れの中で1番大きいオス（仮） → メス
- 群れの中で2番大きいオス（仮） → オス
群れの中で上記の2匹が交尾するとして、残りの3番目に大きいやつとか小さめのやつはどうなるのでしょう？
実は、群れの中でオスとメスになった2匹以外は、オス（仮）のままで、メスにもオスにもならず、繁殖行動も行いません！
ジャニーズJr.でトップの男の子が女の子になり、2番目の子とまぐわるような状況です。
しかも残りの子たちはオス（仮）として一生を童貞として過ごすのですね。
なんと奇妙な生態でしょう。
しかしこの変態な生態も進化の賜物です。
弱い小さな魚は、より強く、よりたくさんの子孫を残すため群れの中で大きな2匹に夢を託すのです。
ファインディング・ニモでお母さんのカクレクマノミが大きな魚に食べられたように、メスになる個体が死んでしまったらどうなるのでしょうか？このままでは、子孫を残せないですよね。
安心してください。
メスが死んでしまった場合は、以下の現象が起こります。
- 群れの中で1番大きいオス（仮） → メス → 死亡
- 群れの中で2番大きいオス（仮） → オス → メス
- 群れの中で3番大きいオス（仮） → オス
これで無事子孫を残せますね！
そして、3番目に大きかった子が童貞にならず、ホンモノのオスになることができましたね！
カクレクマノミは一夫一妻制！
群れの中で2匹だけが交尾できるカクレクマノミ。
つまり、カクレクマノミは一夫一妻制なんです。
不倫でニュースを賑わす人間とは違って、その点はとても堅実ですね！
一度夫婦になったカクレクマノミは、どちらかが死ぬまでずっと夫婦であり続けます。
死がふたりを分かつまで二人の愛は永遠なのですね。
一夫一妻制は魚では大変珍しい生態です。
いかがでしたか？
水族館やテレビでカクレクマノミを見たとき、その性別と愛のあり方に思いを馳せてみてはいかがでしょうか？
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