有名なクイズで扉の番人が2人いて、片方は嘘を言わない、もう片方は嘘しか言わない、というのがあります。
以下のような問題です。
どちらかに道を尋ねる必要がありますが、質問は一度しかできません。
片方の門番は正直ですが、もう片方の門番はウソつきで、常に嘘をつきます。
なんと尋ねれば、天国への道がわかるでしょうか。
※二人の番人はどちらの扉が天国でどちらの扉が地獄か分かっているものとします。
本記事では、この問題を解くためのステップをご紹介します。
まずは2つの場合分けが必要なことを理解しよう
どちらの扉に正直者がいて、どちらの扉に嘘つきがいるかについて、2つのケースが考えられます。
(i)
正直者-天国
嘘つき-地獄
(ii)
正直者–地獄
嘘つき–天国
正直者の後ろに天国への道がある場合と、正直者の後ろに地獄への道がある場合の2つに場合分けできます。
正直者 or 嘘つき、天国 or 地獄なので2 x 2で4通りの場合分けがあると思われるかもしれませんが、正直者も天国で、嘘つきも天国というようなケースは起こりえないので、2通りだけ考えればOKです。
どんな質問がいいか考えてみよう
さて、このような状況で天国を見つけるためにはどのような質問をすればいいのでしょうか?
まず手初めにすぐに思いつきそうな質問をしてみましょう。
「あなたの後ろには天国への道が続いていますか?」
(i)の場合
正直者: 自分の後ろは確かに天国だ→「はい」
嘘つき: 自分の後ろは地獄だから「いいえ」だけど嘘をつこう→「はい」
(ii)の場合
正直者: 自分の後ろは地獄だ→「いいえ」
嘘つき:自分の後ろは天国だから「はい」だけど嘘をつこう→「いいえ」
さて、この場合は正直者も嘘つきも同じ答えをすることが分かりました。つまりこの質問をして、「はい」や「いいえ」という返答をもらっても、何の情報も得られないということが分かります。
ではこのように何の情報も得られなくなってしまう原因は何でしょうか?
それは、一方が本当のことを言い、他方が嘘を言っているからです。
例えば、2人とも本当のことを言ってくれれば、こんな問題は発生しません。
また、2人とも嘘を言ってくれても、得られた返答と逆を選べば正解なので問題は発生しません。
嘘の嘘は本当を使うと解ける!
一方は本当で、他方は嘘、なので答えが分からなくなる…。なら、2人ともが本当のことを言うような質問をすればいいのです!
それはどのような質問か?というと、ずばり、質問の答えを訊く質問をすればいいのです。
+ × +が+で、– × – も+になるように、
本当の本当は本当ですし、嘘の嘘も本当になるのです。
具体的にどんな質問かというと、以下のような質問です。
「あなたの後ろには天国への道が続いていますか?と訊かれたら「はい」と答えますか?」
(i)の場合
正直者: 自分の後ろは確かに天国だから「はい」って答えるよな→「はい」
嘘つき: 自分の後ろは地獄だから「いいえ」だけど嘘をついて「はい」って答えるよな。だから答えは「はい」なんだけど嘘をつこう→「いいえ」
(ii)の場合
正直者: 自分の後ろは地獄だから「いいえ」って答えるよな→「いいえ」
嘘つき: 自分の後ろは天国だから「はい」だけど嘘をついて「いいえ」って答えるよな。だから答えは「いいえ」なんだけど嘘をつこう→「はい」
このように(i)の場合でも(ii)の場合でも「はい」という答えが得られた方が天国、「いいえ」という答えが得られた方が地獄になっているので、この質問をするだけでどっちがどっちなのかを判断することができます。
また、こんな質問でもOKです。
「もう一人の門番は天国への道が続いていますか?と訊かれたら「はい」と答えますか?」
(i)の場合
正直者: あいつの後ろは地獄だから「いいえ」なんだけど、嘘ついて「はい」って答えるよな→「はい」
嘘つき: あいつの後ろは天国だから「はい」で、正直に「はい」って言うんだろうけど、嘘をつこう→「いいえ」
(ii)の場合
正直者: あいつの後ろは天国だから「はい」なんだけど、嘘ついて「いいえ」って答えるよな→「いいえ」
嘘つき: あいつの後ろは地獄だから「いいえ」で、正直に「いいえ」って言うんだろうけど、嘘をつこう→「はい」
これも先ほどのように「はい」が得られたら天国で「いいえ」が地獄だということが分かります。
いかがでしょうか?
このように順を追って考えていくと答えを覚えなくても解答を導き出すことができますね!
コメント
問題のどこに門番はどちらかの扉が天国でどちらの扉が地獄かわかっているということが書いているのですか?
ご指摘ありがとうございます。
門番が答えを知っていないと成立しない問題ですので、記事中に注記を追加させていただきました。
この度は誠にありがとうございました。
コメント失礼します。
最後の見分け方2問目なのですが、
正直者もなぜ嘘をついているのでしょうか?
1問目は納得できたのですが2問目が腑に落ちないです
コメントありがとうございます。
2つ目の正解例では、隣の門番が「はい」というかどうかが問われています。
そのため、正直者に質問した場合は、隣の嘘つきが、なんと答えるかについて正直者が考えて答えるというかたちになります。正直者自身は嘘をついておらず、隣の嘘つきがどんな嘘をつくかを考慮して質問に答えています。
投稿されてから大分経っていますが質問させていただきます。
問題には道を尋ねる必要があると書いてありますが、
どちらの解答からも道を尋ねたら「はい」と答えますか?
と門番に質問されています。これは道に対しての質問ではなく「はい」と答えるかを見ていると私は解答を読んで思いました。
これは正解の天国への道にさへ行ければ道を尋ねること以外の質問をしてもいいということでしょうか?
もしそうでしたら、簡単にあなたは門番ですか?「はい」天国「いいえ」地獄
という解答はありでしょうか?
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、道を尋ねる以外の質問をすることも可能だと思います。
ただし、「あなたは門番ですか?」という質問の場合、
■ケース1
正直者 – 天国 → 回答「はい」
嘘つき – 地獄 → 回答「いいえ」
■ケース2
正直者 – 地獄 → 回答「はい」
嘘つき – 天国 → 回答「いいえ」
となり、回答から門番の後ろの道が天国に至るのか、地獄に至るのかは判断できない状況になります。
二つ目の方法を取るならば問題文に[門番はお互いに嘘つきか正直者か知っている]と言う注意書きも必要だと思います。
貴重なご指摘誠にありがとうございます!本文中にも注意点を追記させていただきました!
質問の中に?が2つついてるのはどうなんだろうと思うのですが…
正直な方の門番は一回の思考回数ですが、嘘つきの門番の方は二回の思考回数です。
1回の質問に複数回思考させられてるとなれば、その質問は無効だとか嘘つきの方は言ってきそうです。
「もう一人の門番は天国への道が続いていますか?と訊かれたら「はい」と答えますか?」
(i)の場合
正直者: あいつの後ろは地獄だから「いいえ」なんだけど、嘘ついて「はい」って答えるよな→「はい」
嘘つき: あいつの後ろは天国だから「はい」で、正直に「はい」って言うんだろうけど、嘘をつこう→「いいえ」
(ii)の場合
正直者: あいつの後ろは天国だから「はい」なんだけど、嘘ついて「いいえ」って答えるよな→「いいえ」
嘘つき: あいつの後ろは地獄だから「いいえ」で、正直に「いいえ」って言うんだろうけど、嘘をつこう→「はい」
これも先ほどのように「はい」が得られたら天国で「いいえ」が地獄だということが分かります。
「はい」が地獄で「いいえ」が天国では?
コメントいただきありがとうございます。
(i)
正直者-天国 → 「はい」
嘘つき-地獄 → 「いいえ」
(ii)
正直者-地獄 → 「いいえ」
嘘つき-天国 → 「はい」
となりますので、「はい」が天国で「いいえ」が地獄となります!
あなたは、正直者かつ後の扉は天国である、または嘘つきかつ後の扉は地獄であるのいずれかに当てはまりますか?
はい→天国、いいえ→地獄
という解答はどうでしょう?