事例で見るドイツのハイパーインフレーション

ドイツのハイパーインフレーション

ハイパーインフレで挙げられる事例の1つとして第一次大戦後のドイツが有名です。
インフレとは、そもそも物価がある期間において持続的に上昇する経済現象のことです。つまりは、商品に対して貨幣価値が下がることを言います。
ハイパーインフレとは、すなわち過度のインフレを指し、物価が短期間に数倍、数十倍に上がることを指します。ドイツのインフレは最終的に物価が384億倍にまで達しました。
上記の画像は子どもが貨幣をおもちゃにして遊んでいる様子ですが、貨幣価値が384億分の1になったら一枚の紙幣の価値なんか紙くず同然なので貨幣が子どものおもちゃになるのも納得ですね。

ドイツのハイパーインフレの背景

ドイツのハイパーインフレの直接のきっかけは、第一次大戦後のヴェルサイユ講話条約により、戦勝国がドイツに支払い不可能な賠償金を課したことによります。
ドイツ政府はそこで賠償金の資金を調達するため、当時のドイツの中央銀行であるライヒスバンクに国際を受けさせ、その結果、大量の紙幣を新規発行したため通貨価値が急激に下がり激しいインフレが起こったのです。

ハイパーインフレ下の国民生活

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1923年の7月22日付けの『ロンドン・デイリー・メール』紙によると「昨日までハム・サンドイッチがたった1万4000マルクだった同じ喫茶店で、今日はそのサンドイッチが2万4000マルクとなった」と報じています。
また7月下旬の同紙では「1万マルク紙幣が最高額面紙幣だが、銀行にはその手持ちがない。レストランに行くために銀行に行くと、行きつけの銀行の出札係が、4分の1ペニーの値打ちしかない1000マルク紙幣を4000枚包んでくれる。食事のときは、レストランのテーブルにそれをのせ、ウェイターが勘定書を持って来たとき開く。来週末までには400万マルク紙幣が発行され、不便が和らぐ予定だ。」と報道されています。
やがて国民は紙幣を手押し車や乳母車で運搬するようになったそうです。銀行券は1枚ほぼ1グラムなので、紙幣4,000枚持ってレストランに行くとすると約4kgの紙幣を運ぶことが必要だったということです。ランチの度に2リットルのペットボトル2本を持っていくことを想像すればわかりやすいかもしれないですね….。
想像しただけで私はレストランに行く気がなくなってしまいます。
ランチにちょっとした買い物が加われば、2リットルペットボトルが4本、5本と増えていくわけですからたまったものではないですね…。
ちなみにドイツでは買い物の不便から100兆マルク紙幣が発行される事態になりました。
100兆マルク紙幣


いかがだったでしょうか。日本ではあまり馴染みのないスーパーインフレですが、これを機会に歴史やグローバル化に興味を持った方はこちらの講座もオススメです。

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