安全保障のジレンマとは何か?

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集団的自衛権などの国家安全保障を考える時に必要な概念がこの安全保障のジレンマである。

安全保障のジレンマは、以下のように定義できる。

安全保障のジレンマとは、他国に対する脅威を感じた結果として行われる軍拡ないし同盟強化の対応が、その当該他国の自国への脅威認識を高め、結果としてさらに当該他国の軍拡ないし同盟を強化をもたらす。防衛のための軍拡ないし同盟強化は他国への脅威になることから、負の連鎖として軍拡競争や同盟強化競争が続くこと。

日本は現在、アメリカと同盟を結んでいる。そして、アメリカは韓国と同盟を結んでいるため、アメリカをハブとすれば、日米韓は軍事同盟を結んでいるように考えられなくはない。ニュースで、日米韓の合同軍事演習が行われたなどと報道されるのは、この関係性があるからである。ところで、このような軍事演習を行うと反発してくる国がある。北朝鮮と中国である。両国とも日米韓の軍事演習が行われるたびに懸念を表明している。ここから日米韓VS中国、日米韓VS北朝鮮という構図が浮かび上がってくる。

ところで、なぜ日本は他国を侵略する意志がないのに、新兵器を導入したり、イージス艦を所持したり、自衛隊による軍事演習を行い、またアメリカとの同盟強化を図ろうとするのか?その答えは、自衛である。日本の領土・領海・領空を守るためである。一方、例えば中国も軍備拡張に力を注いでいるが、この軍備拡張は自衛だけでなく、領土拡張のためでもある。しかしその軍拡が日本は自衛のため、中国は領土拡張のためという異なる理由からであったとしても両国は安全保障のジレンマに陥ってしまう。

安全保障のジレンマに陥る原因は、理由に関係なくその軍拡や同盟強化の対応が他国に脅威を与えるからである。その結果、脅威認識が高まり、当該他国の軍拡や同盟強化をもたらすのである。それは、すなわち日本が新兵器を導入したり、日米同盟を強化すればするだけ、中国が軍備拡張することを意味する。では、日本が軍拡や同盟強化を今後一切やめれば良いのだろうか?しかし、そうすれば中国に一方的に侵略されることにもなり得ない。そのために軍拡や同盟強化は止められないのである。これが負の連鎖と呼ばれる安全保障のジレンマなのである。

このように安全保障のジレンマによる軍拡や同盟強化は今後も続いていくと考えられる。それを回避するためにはどうすればいいのか?その答えの一端は外交交渉である。しかし、現状の日中関係を考えると交渉が上手く行っているようには思えない。ではどうすれば良いのか?みなさんにも考えてみて欲しい。


いかがだったであろうか?安全保障のジレンマは、ゲーム理論の囚人のジレンマのモデルを政治学に応用した考え方である。また、国家安全保障は地政学とも密接に関連している。興味をもった人はぜひ、ゲーム理論や地政学も併せて学んで欲しい。

深い戦略的思考を生みだす『ゲーム理論』とは

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