統計学は数学の一部なのか?あるいは数学は統計学の一部なのか?

統計学は数字や公式扱う学問なので数学の一部かと思いがちですよね。
ですが、主題の結論を先に言ってしまえば、統計学は数学の一部ではありません。
では統計学と数学はどのように異なるのでしょうか?
統計学と数学

統計学と数学の違い

まず最初に断っておきますが、この記事では数学と統計学との定義を厳密には行わず、あくまで一般的な観点から両者の違いを論じたいと思います。

アプローチの方法による違い

数学と統計学とでは、根本となるアプローチの方法が異なります。
数学は前提となる公理から出発して、演繹的な手法から定理を導く学問です。つまりそれは、定理を何か現実世界に適用できる事実とするなら、論理→事実という順番でアプローチのするものと言えます。
一方、統計学では基本的に対象となるデータが存在し、そこに統計学的な手法を適用させることで、背後に隠れた真理を類推する、というアプローチを取ります。
言うなれば、事実→論理とい数学とは逆の流れになります。
このような意味では、統計学は物理学や生物学のような自然科学に近いと言えます。物理現象や生命現象という事実に対して、物理学的、生物学的手法で現象の背後にある真理に迫ろうとするのが、物理学、生物学であるとするならば、統計学はまさにこれと同じ図式になっています。

利用するツールによる違い

高校数学の数学Bに統計学が含まれるように、統計学では数学的な知識が必要になります。
しかしだからと言って、数学の一部分が統計学、という関係にあるのではありません。
統計学は、もちろんどのように統計学を定義するかにもよりますが、数学の他に、どのようにデータを収集するのか?と言った統計学独特のテクニックも含まれますし、対象となるデータを適切に取り扱うためには、例えばそれが会社経営に関するデータであった場合、経営学の知識が必要となりますし、Rなどを使う場合はプログラミングなど情報工学の知識も必要となります。
物理学が数学をツールとして活用するように、統計学もツールとして数学を活用するような関係にあると理解すればいいでしょう。


いかがでしたか?
統計学には数学の知識も必要ですが、数学の一部分ではありません。
数学に苦手意識があるから、統計学にも近づきたくない、と思う方もいるかもしれませんが、上記のような関係を理解すれば、数学が苦手でも統計学を怖がる必要はないということが分かるかと思います。
データサイエンスやWeb解析など、仕事の現場でもますます重要度が高まっている統計学。数学的バックグラウンドがないと悩む前に、まずは学習を始めてみてはいかがでしょうか?
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