頭の体操にチャレンジ!整数問題を楽もう【素数編】

高校生の頃にやった「整数問題」という整数の性質を使う問題を覚えている方はいらっしゃるでしょうか。
整数問題といえばどちらかというとマイナーな分野というイメージが強いですが、「そんなのあったけ?」なんて寂しいこと言わないでくださいね。
意外に思う方も多いかもしれませんが、実はこの整数問題、最低限の知識頭の体操だと割り切る心があれば、ほぼ全ての問題を楽しみながら解くことができるんです。時々こういった問題を考えるノウハウやらを紹介していきたいなと思いますので、こっち系の話題が好きな人はぜひぜひ、お楽しみに…!
今回は整数問題の中でも特に制限が強いおかげで解きやすい「素数」をテーマにした問題をご紹介します!

素数って何だっけ?

そもそも素数って何なのかきれいさっぱり忘れてしまった人のために簡単におさらいしておきましょう。

素数とは、1と自分自身以外に約数を持たない自然数(正の整数)である

つまり、素数に対しては「自分自身を除く1より大きい整数による割り算でぴったり割り切れる整数が存在しない」ということでしたね。思い出してきましたか?ちなみに対義語は合成数と言ってこちらは1と自分自身以外にも約数を持ちます。

素数の特性をうまく使えれば気分爽快!

素数を順番に挙げていくと、「2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, …」と続いてゆきます。一見してわかるように、素数の中で偶数はたった一つ!しかありません。2以外の素数は全て奇数なんですね。
また、素数は先ほど言ったように1より大きな約数は自分自身以外ありません。この点を踏まえると、「二つ以上の未知数が素数である」という情報はかなり大きいことがわかると思います。
具体的には、整数を数えていけばたいてい何かの倍数(合成数)が登場するはずなので、合成数が登場する場合を挙げ尽くし、それ以外の時だけはすべて素数になるという流れを見立てて問題に取り組むことができるということですね。
ちなみに合成数が登場する場合を挙げ尽くすのに便利な方法というのは「余りによる分類」です。こちらのサイト(高校生の整数論・講義:第6講 残念ながらYahoo!ジオシティーズのサービス終了により閲覧できません)で解説されているので忘れてしまった方や初めて聞いたという方は覗いてみるとよいでしょう。
このように分類したときに、素数とわかっている未知数が何かの倍数になったらそれは求める答えでないことが即座にわかるという寸法です。

素数の性質で解けるかな?

ということで問題を作ってみました!頭の体操がてら挑戦してみてくださいね。
未知数が4つもあるのに、等式2つに素数という情報が加わるだけで4つとも答えがわかるなんて感動の一言です。
答えが分かった方はコメント欄にご投稿してください!

コメント

  1. 山下裕之 より:

    p=7
    q=5
    r=3
    s=2

  2. 〇〇〇〇 より:

    蛇足ですがp=7,q=5,r=3,s=2のみが解であることの必要性を示します。
    p=q+s>4,q=r+s>4よりp,qは奇素数
    奇数+奇数=偶数なのでrは偶数であることが必要、よってs=2,rは奇素数
    p=r+4,q=r+2なので
    3を法としてr≡1とすると、q≡0 p=r+2>3なのでqは3の倍数になってしまう
    同様にr≡2とするとp≡0となり駄目
    よってr≡0 すなわちr=3が必要
    p=3+4=7 q=3+2=5

  3. αβγ より:


    p=r+2s
    q=r+sより
    p-q=s∈P
    p,q>sよりp≠2∧q≠2
    ∴s=2
    ここで,p=r+4,q=r+2.
    r≠3のとき
    このような素数組は存在しないため,(※①)
    求める素数組は
    (p,q,r,s)=(7,5,3,2).
    ※①
    三つ子素数において,
    a,b,c∈P∧c=a+4,b=a+2が成り立つのは
    (a,b,c)=(7,5,3)であることを利用。