格付け会社が行う格付けは大きく2種類に分けることができます。
ここではその2種類の格付けである、依頼格付と勝手格付の違いについて紹介します。
債券の格付制度とは?
債券の格付制度とは、そもそも発行される個別の債券について、利子支払いと元本償還の確実性の程度を第三者が評価して、投資家に情報として提供する制度です。
すなわち、その債券がどれくらい安全な投資先であるのかの評価=格付けだと言うことです。
格付けされるのは、国債に限らず政府保証債や国際機関債などあらゆる債券がです。
また注意しないといけないことは、高く格付けされている債券だからいって、それはその債券の安全性(元利払いの能力)を評価したものであって、その元利払いの能力を保証するものではないのです。もし投資家が格付会社の情報をもとに投資をしたとしても、その利用は投資家の自己責任となるのです。
依頼格付けと勝手格付け
加えて、ここから本題ですが格付けには依頼格付けと勝手格付けとの2つがあります。
依頼格付けは、債券の発行企業が格付機関に格付けを依頼し、格付け手数料を支払って格付けしてもらう場合のことを言います。
一方で、勝手格付けとは、発行企業から依頼されていないのに格付機関が勝手に格付けを行う場合のことを言います。
勝手格付けの問題点
勝手格付けの問題点は、格付手数料を取らずに格付けを行っている点から、依頼格付けよりもその格付けが厳しくなる傾向にあることです。
また、嫌がる顧客に有料の依頼格付けを強要する手段として使われる可能性があることです。
厳しく格付けされたくなかったら金を払えという理屈ですね。
格付けが市場関係者や投資家に有用な情報として利用してもらうためには、格付機関が中立・公正に格付けを行わないといけないのですが、勝手格付けの場合その公正性が問題となるのです。
格付けを信用するかは自己責任なので、とある債券の格付けが下がったからと言って、どのような機関がどのように格付けを行ったのかまで、しっかり調べないといけないですね。
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