「ダヴィンチ・コード」にも登場したマグダラのマリアという人物について紹介ししたいと思います。
マグダラのマリアとは?
マグダラのマリアは紀元後1世紀に実在した女性で、聖書に登場し、イエス・キリストに従った聖人の一人だと言われています。
しかし、それ以外の部分はよくわかっていません。なぜよくわからないかと言うと、彼女の特徴は、歴史の過程で幾度となく、書き換えられているからです。
同時に彼女が存在した新約聖書の時代にはアルファイの子ヤコブとゼベダイの子ヤコブであったり、イエス・キリストに祝福を与えたとされるヨハネと黙示録で有名なイエスの弟子・十二使徒の一人ヨハネと言ったように同名の人間が複数存在します。
マグダラのマリアもその一人で神の子イエス・キリストを処女受胎されたという聖母マリアを含め7人前後のマリアが同じ時代・同じ地域に存在していたと言います。
それ故か他のマリアと同一視されることも多く、聖女であったとされるのに娼婦でもあったとされていたり、敬虔にイエス・キリストに仕えていたのに罪深い女とされていたり、矛盾する特徴を兼ね備えた女性なのです。
現在で最も有力だとされている説の1つにマタイによる福音書に書かれているイエス・キリストの磔刑を見届け、またその3日後に彼の復活の目撃者でもあるという話があります。
言うならば、彼女のイメージはWikipediaのようにどんどん自由に書き込まれ、歴史の過程で変化していったのです。
マリアのイメージはどのように加工された?
マグダラのマリアのイメージを大加工した人物の代表として、大グレゴリウスという教皇がいます。
彼が行ったことは、上記でもあったように複数の女性の同一視です。これはどういうことかと言うと、マグダラのマリア以外の2人の女性もマグダラのマリアと同一人物だと解釈したのです。具体的に言えば、ルカによる福音書に登場する罪深い女とヨハネによる福音書に登場するベタニアのマリアの2人です。
この結果、マグダラのマリアのイメージは、悪霊に取り憑かれた「罪深い女」がキリスト教によって回心するというストーリーを持った人物像になったのです。
この他にも、身体的特徴や行動パターン、さらに家族が増えるなど、情報が書き加えられていきます。知らないうちに家族が増えるってびっくりですよね。一説では先程少しだけ話題に上がったヤコブですが、彼の母親の名前もマリアであったそうです。
このように、マグダラのマリアは様々な話が入り混じり調べてみると大変面白い人物でもあります。キリスト教や聖書に興味がある人はぜひ詳しく調べてみてください!
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