吉田兼好の徒然草が教えてくれる「一本の矢の重み」とは

夢や希望を持って熱心にものごとに取り組んでも失敗は必ず起こってしまいます。

失敗から学ぶことは多いですが、だからといって失敗することを当然として、ものごとに取り組むべきではありません。

スティーブ・ジョブズも

もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいだろうか?

と言っています。

失敗すると分かっていることを、わざわざ人生最後の日にやる人はいないですよね?

実は、ものごとに取り組む姿勢と失敗について、吉田兼好の徒然草に、含蓄のある言葉がのこされています。

吉田兼好の徒然草にある一本の矢の話

的に命中した矢の画像

ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて、的に向かふ。
師の言はく「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度、ただ、得矢なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろそかにせんと思はんや。懈怠の心、みずから知らずといへども、師、これを知る。この戒め、万事にわたるべし。

【現代語訳】
ある人が弓の射方を習っていたときに二本の矢をもって的に向かった。それを見て師匠は言った。「素人が二本も矢を持ったらあかん。二本目をあてにして一本目の矢が軽くなるからや。弓を射る時は一本一本ぜんぶ本番なんやと思え(だから一本だけ持って行けや)」
たった二本しかない矢を師匠の前でおろそかにしようなどと誰が思うだろうか(いや誰も思うまい)。しかし怠けようとする心は、自分では気づいていなくても生まれることを師匠は知っている。

失敗は宝。でも「失敗してもいいや」はダメ

練習だと思って挑めば、必ず詰めの甘さが滲み出ます。今は準備期間に過ぎないのだという認識、つまり「失敗を許容する心の持ちよう」は、往々にして甘えを生み出してしまいます。

確かに失敗は諦めない限りは成功の礎になるでしょう。ですが失敗し続けることが良いという事実はないのです。

人生一度きり。私たちは成果を求められる場においては、今この瞬間こそが本番と心して常に全力で臨み、どうせならその上で失敗すべきということですね!

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