日本語は英語に比べると文法などのルールがゆるい言語と言われています。
特に「、」「。」「・」などの記号やかっこ等は適当に使っている人も多いのではないでしょうか?
学校でもきちんと習った覚えがないし、適当でいいんじゃない?
と思っているあなた!
正しくない記号の使い方をして赤っ恥をかく可能性があります。
今回は、これらの記号の正しい使い方について解説します。
くぎり符号と様々なかっこの使い方
[1] 。まる(句点)
句点「。」は、一文の言い切りを示します。
「 」・( )などの括弧の中でも文末に「。」を用います。
「 」の最後に「。」をつけるかどうか迷うことがあるかもしれませんが、文章の終わりだったら括弧の中でも「。」をつけておくのが正しい用法です。
[2] 、てん(読点)
読点は文章を読みやすくするために、文の切れめにつけるものです。
明確なルールはなく、文章のテンポをよくするときには意図的に読点を多くつけることもあります。
[3] ・なかてん
なかてん「・」は、名詞を並列する場合に用います。
なかぐろとも言われます。
本や雑誌の編集に関わったことがある方は「なかぐろ」と言う表現の方が一般的かもしれませんね。
例: コーヒー・紅茶は、リラックスするときに飲むことが多い。
[4] ( )まるかっこ
( )は、語句や文の次に付して、特に注記を加えるために用います。
例:フィンテック(ファイナンスと、技術を意味するテクノロジーを組み合わせた造語でICTを用いた金融分野の革新を表す)はこれからますます注目されるだろう。
[5] 「 」かぎかっこ
「 」は、会話文であること、引用を示すこと、注意を喚起するときなどに用いられます。
例:
- 「このニュースおもしろいね」と友人は言った。
- ナイキの創業者フィル・ナイトは「日商という存在がなかったら私たちはどうなっていただろうか。」(『SHOE DOG』より)と自叙伝で述べている。
- 最近は、「ビットコイン」「ブロックチェーン」といったキーワードが頻繁に新聞に出てくる。
[6] 『 』ふたえ(二重)かぎかっこ
『 』は「 」の中に引用として用いる場合や、単行本の書名などに用いられます。
例:
- 「友だちが『このニュースおもしろいね』と言っていたから、覚えていたんだ。」と弟は言った。
- 恩田陸の書いた『蜜蜂と遠雷』は、直木賞を受賞した。
いかがでしたか?
今まで間違った使い方してたな…というものもあったのではないでしょうか?
この記事がいつも使っている日本語を見直すきっかけになれば幸いです!
コメント
『文章の終わりだったら括弧の中でも「。」をつけておくのが正しい用法です』というご説明ですが、小職自身は国語の授業で「括弧内の文末は句点をつけない」と習いました。同世代の人もすべて同じ意見です。もっとも、昔の日教組(今の存在するのでしょうか)はアンチ政府的な考え方があったので、文部省(現文部科学省)の「通達」に反対したのかもしれませんが。文末なので句点を付けるべきという意見には賛成する一方、括弧ですでに区切りとなっているので、さらに句点の区切りと入れる「ダブル用法は避ける」手法に基づく特別施策だと理解しています。確かにダブル区切りは(慣れない私には)見ずらいので、句点を付けないほうがすっきりしていると思います。英語では、シングルでもダブル・クオテーション(日本語の括弧に相当)に文末にペリオドが付きます。これは文法なので必ず実践しなければなりませんが、日本語もこれに影響を受けてきているのではないかと考えています。
コメントありがとうございます。
貴重なご意見大変参考になります。
括弧と句読点の取り扱いについて学校で習う用法と出版業界でのルールとで違いがあるという記事を見つけました。
https://suzumi-ya.com/epub/post-801/
業界毎のルールなど改めて調べてみたいと思います。
ありがとうございます。
ご丁重に返事をいただき感謝いたします。大半のメディア関係機関が句点を付けない決まりを持つことは知っていましたが、いただいた参考サイトによると「学校教育では句点を付けると習う」ことは驚きました。本当なら、私の時代以降のある時点で方針が変更になったことを意味しますね。
もっとも、冒頭で書いたように、大部分のメディアは句点を付けないので、通常私たちが読む(文を書くプロの)日本語の大半は句点が付いていないと考えられます。
私が所属する英日翻訳(英語を日本語に訳す)業界では、特段の指定がない限り訳者に任されています。ただし、多くの仕事が一般に公開されるメディア情報になるので、自分は句点を付けない方針を取っています。