日本人の宗教観って何で他の国とこんなに違うの?変なの?


明治学院大学の名誉教授の鹿嶋春平太先生によると、どの宗教にも神という概念がありますが、その概念は2種類に大きく分類することが可能です。
一方は物質の中に神がいると考えるタイプです。これを在物神と呼びます。そもそも人間はモノを見ると内側に神を感じる本能があります。そのことを人間は神覚的動物であると言います。
他方は、万物を創った神がいると考えるタイプです。これを創造神と呼びます。創造神という概念は本来は人間の心に自然発生をしません。では、この神はどのように人間の心に発生するかと言うと、創造神の言葉を伝える聖書を通して、言葉でもって人間の心に発生する神なのです。

日本人の宗教観は?

日本人にとっての神観は物質の中に神がいると考える在物神に当てはまります。
みなさんが日頃、お参りに言っている場所を想像してみてください。
以下に信仰の対象になっているものを列記します。
■ 自然:巨木や巨岩
→例:屋久島の縄文杉
■ 動物:ヘビやキツネ
→例:お稲荷さん(狐が祀られている)
■ 社殿:死者の霊
→例:氏神が祀られている神社、天満宮、靖国神社
■ 仏壇(私的社殿)
→先祖の霊が祀られている
■ 彫像
→仏像、観音様、地蔵
このように、日本人は日頃あまり宗教を意識しませんが、それは信仰が生活の一部に同化しているからなんです。
そして、自分の身の回りには信仰の対象が溢れていることも知っておかないといけません。

世界の人々の宗教観

在物神を信仰する日本人に対して、世界の約半分の人々は創造神を信仰しています。
例えば、キリスト教文化圏は世界の約25%を占め、イスラム教文化圏は世界の21〜3%を占めています。
昨今、グローバルな人材には宗教的知識も必須だと言われるようになってきましたが、約半数が特定の神を信仰している現状では、コミニュケーションを円滑化するため、英語とともにキリスト教・イスラム教の知識が必要だと言われるのには納得ではないでしょうか?

コメント

  1. 閲覧者 より:

    「明治学院大学の名誉教授の鹿嶋春平太先生」は「宗教社会学者」の肩書を持っておられるようですが、プロフィールを拝見するに、経済学とか商学の学位は取っておられるみたいですが、宗教学とか神学の関係の学位は取っておられないようにお見受けします。「宗教社会学者」としての学位はどこで取られたのでしょうか?あるいは、そういう学位を持たなくても名乗れるものなのでしょうか?

    • takahashi より:

      ご質問ありがとうございます。鹿嶋春平太氏は長年の宗教社会学の研究をもとに宗教社会学者として活躍されています。宗教社会学の領域で特定の学位(博士等)を名乗っていることはなく、研究者としての学者ということになります。学者として、宗教社会学の領域の著書も多数あり、出版後も米国への留学等、研究は深められています。