最近子供向けのプログラミング学習が何かと話題ですよね!
今回は、先日参加してきた、子どもプログラミングワークショップの参加レポートをご紹介いたします。
参加したワークショップについて
今回、参加したのは、主に小学生を対象としたお子さまに、宇宙飛行士体験や忍者体験、スタイリストやミュージシャンなどのお仕事体験イベントやワークショップのプラットフォームGifte(ギフテ)で開催された「とっておきのプログラミング教室(ラズベリーパイ2)」というワークショップです。
ちなみにこのワークショップは、前Google日本法人名誉会長で元Google米国本社副社長の村上憲郎氏から応援をいただいていました。
村上氏は、日本経済新聞社のサイトへのコラムの中で、主に学生に向けて以下のようなメッセージを発信しています。
IoT(Internet of Things=物のインターネット)を形成する「スマートマシン」の大量導入が想定され始めているなか、プログラミング技能を身につけることは、自らの雇用のチャンスを拡大するうえで不可欠です。
今回のワークショップは、小学生が対象でしたが、小学生のうちから、電子工作やプログラミングに慣れ親しむ機会は貴重なものだろう、と評価していました。
ワークショップの内容
ワークショップの内容は、ラズベリーパイ2で自分だけのパソコン環境を作った上で、「だるまさんがころんだ」のゲームを作成するというものでした。
ご存知のように、だるまさんがころんだ、のゲームは「だ〜るまさんがこ〜ろんだ♪」の声(音)と、鬼が目隠しをしている間に逃げる昔ながらの遊びです。
これをプログラミングでどう実現したのでしょう?
ラズベリーパイとは?
ワークショップの詳細に移る前に、ワークショップのタイトルにもなっている「ラズベリーパイ」についてご説明します。
今回のワークショップで使用したのは「ラズベリーパイ」。ラズベリーパイは手のひらにおさまるパソコンです。これが「ラズベリーパイ(ラズベリーパイ2)」です。
緑色の基盤がパソコンの本体部品で、これにモニターやキーボードやマウスをつなげてパソコンとして使えるようになります。小さくても本格的なパソコンと同じように動作するので、子どもから大人まで電子工作を楽しめます。
ワークショップの流れ
1. ラズベリーパイ2に開発環境を構築する
最初に、ラズベリーパイ2が一人ひとりに配られ、モニターディスプレイ、キーボード、マウスの接続をしました。
そして、今回使用するソフトが入った、マイクロSDカードもお子さんに配布して、ラズベリーパイ2を起動しました。
2. Scratchで、ダンスゲームを作成
ラズベリーパイ2を起動した後「Scratch(スクラッチ)」のソフトを立ち上げました。
Scratchは、小学生の子どもからプログラミングが自由にできるようになる、ビジュアルプログラミング言語環境です。
MITメディアラボが開発して、現在世界的に広く利用されています。
この、Scratchを使って、選んだキャラクターが動く(ダンスをする)簡単なアニメーションを作成しました。
3. センサーボードをつないで、センサリング体験
次に、「なのぼ〜ど」というセンサーボードが配布されました。
このボードをラズベリーパイ2につなぐと、光や音、ボードについているスライダーの動きをラズベリーパイ2で組み立てたパソコンで感知することができるようになります。
なのぼ〜どを接続した後、音がどのように感知されるかを確認しました。
4. 音のセンサーを使ってキャラクターを制御する実装
なのぼ〜どで、音が感知されることを確認した後、音が大きいとき(音が鳴っているとき)に、キャラクターが動きたすプログラムを作りました。
これで、「だ〜るまさんがこ〜ろんだ♪」の声(音)で反応するゲームの一部ができました。
5. 光のセンサーを使って、暗い環境を作ってのスコアの確認
光のセンサーをセットして、紙コップで暗い環境を作り、どれだけ暗いか?をなのぼ〜どで測定できるようにしました。
そして、暗いとダンスキャラクターが動き出すプログラムを作りました。これで、だるまさんがころんだの鬼の役目を演じる部分が実装できました。
6. 最後は親子で、だるまさんがころんだ
親子でだるまさんがころんだの対戦を行いました。
子どもが、だーるまさんがこーろんだ♪と言って、後ろを振り向いたときに、親が必死に紙コップをかぶせてキャラクターを止めるなど、白熱した対戦となりました。
このワークショップは大変好評で、参加した方々もとても楽しそうでした。
このワークショップが成功した理由
非常に盛り上がったこのワークショップ。その理由は3つあると考えています。
理由1: ラズベリーパイ2で自分だけの開発環境を構築した
まず1つめは、開発環境を自分で構築する体験ができた点です。
PCを自作する人はまだしも、私たちが使うPCは、完成されたものを使うのがほとんどで、どういった構成でPCが動いているか?と意識することはありません。
このワークショップでは、子どもに自分でパソコンを組み立ててもらいました。
ラズベリーパイ2にモニター、キーボード、マウスを接続し、スイッチオンで起動する簡単なものでしたが、OS(ラズベリーパイの場合Raspbian)が起動しモニターに映し出されたおt期は、子どもたちから喜びの声があがりました。
ボタン1つで行うパソコンの起動とは違った達成感と気づきを提供できたのではないかと思います。
理由2: センサーボードが楽しかった
センサーボードを使ったこともワークショップを楽しいものにできた理由だと思います。
子どもプログラム向けのセンサーボードとして有名なものは、MITメディアラボがScratchBoardとして開発していますが、今回のワークショップでは、互換機である「なのぼ〜ど」を使用しました。
子どもたちは、なのぼ〜どを接続するや否や興味津々でした。スライダーを操作して、スコアが変わるフィジカルとデジタルが組み合わさる体験を提供することができました。
今回のワークショップでは、最初に音のセンサーを使用しました。自分の声を発しているときのスコアと声を発していない静かな状態のスコアを測りました。そして、先に作っている、ダンスアニメーションに、「なのぼ〜どのスコアで静かな状態(声がない状態)」のときには「ダンスアニメーションが静止する」というプログラムを加えました。
自分の声というアナログな情報をデジタル情報に変換する面白さを感じてもらえたのではないかと思います。
次に光のセンサーを使用して、どれだけの暗さを白い紙コップで作れるか?というワークを子どもたちは行いました。
みんながまず試したのは、紙コップを黒いテープでぐるぐるまきにして、暗くするような工作でした。これを「なのぼ〜ど」にかぶせてスコアを測定すると、センサーで測ったスコアが変化します。工夫をしていた子は、紙コップの中まで、マジックやテープを使って遮光をすることで、スコアを大幅に変えることができていました。
スコアを大幅に変えられた子は、まわりの子にも注目され、どのように工夫をしたか?を発表してもらう機会もつくりました。
この理科の実験のような活動は、主催者側も想定外の盛り上がりを見せました。
理由3: 親子で対戦「だるまさんがころんだ」が白熱した
親子で「だるまさんがころんだ」の対戦をしたのがとても良かったと思います。 リアルとデジタルの楽しい体験、そして子どもが主役となり、親も関わって作り上げたプログラミング、ゲームで遊ぶというのは特別な体験だったようです。
最後に余裕のある親子チームは、Rasberry Pi2となのぼ〜どを使ってできる他のゲームの企画制作にもトライできました。新しいアイディアを形にする楽しさも体験できたようです。
いかがでしたか?
親子で楽しめる子どもプログラミングワークショップにあなたも是非参加してみてください!
子ども向けプログラミング教育に携わっている方が、ShareWisでオンライン講座を提供しています。
「Ruby on Rails Tutorial(現役Rubyistの質問対応付)」の講師の安川要平さんは、2013年に世界的な子ども向けプログラミング道場「CoderDojo」の日本代表に就任するなど、子ども向けプログラミング教育の普及活動に取り組まれています。
子どものプログラミング教育に興味関心がある保護者の方や学生、社会人の方はご自身のプログラミングの知識やスキルもどんどん伸ばしてみてはいかがでしょうか?
安川要平さんが提供しているRuby on Rails Tutorialはこちらです。
コメント
はじめまして。
突然ではございますが、デジタルマーティングの分野に従事しております高梨と申します。
今回こちらの記事を拝見し、電子部品関係メーカーの記事内での紹介等をご依頼させていただければと思いご連絡させていただきました。
もしよろしければ詳細についてメールにてご説明をさせていただければと思っております。お忙しいところ恐れ入りますが、一度ご連絡をいただけましたら幸いです。
お返事心よりお待ちしております。
高梨 百合