バブル? 定着? 聖地巡礼は町おこしのスパイス

2016年に流行したものの中で外せない『君の名は。』は、当サイトでもすでに何度も取り上げています。

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そんな『君の名は。』ですが、聖地巡礼も大いに盛り上がっているようです。

聖地巡礼といえば、これも2016年後半に盛り上がったドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(通称、逃げ恥)も盛んのようです。

しかし、こんな記事もありました。

『逃げ恥』ロケ地への“巡礼” 公式が注意喚起

『逃げ恥』は観光地でも何でもない住宅地が舞台。好きなドラマで見た場所だから、とテンションが上がる気持ちは理解できても、やっぱり住居侵入しちゃいけませんね。望んでいない人たちにとっては、ただの迷惑になる。そんなことも、実際に多いようです。

基本的に、聖地巡礼によって訪れる観光客は、良い作品を生んだときにできる副産物のようなもの。望む望まない関係なしに、生まれるときは生まれてしまうのです。

それでも、多くの観光客の来訪を望むような地方では、狙って聖地巡礼の客を獲得したいものです。

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舞台探訪の歴史

そもそも『聖地巡礼』って?

愛する作品の舞台やロケ地に訪れることは昔からよくありました。昔は『ロケ地巡り』とか『舞台探訪』と呼ぶことのほうが多かったですが、最近では、2016 ユーキャン新語・流行語大賞においても、トップテンに入るなど、特に若者の間で『聖地巡礼』が定着しています。

基本的に、アニメファンの間で舞台探訪のことを『聖地巡礼』と呼ばれはじめました。本来は宗教的な言葉ですが、熱心なファンから見て『聖地』である場所を『巡礼』するということでわかりやすく受け入れられたのでしょう。
それが、今ではドラマや映画の舞台探訪でも使われるようになりました。

『観光資源』として定着するケースも

定着したケースとして有名なのが鷲宮神社です。『らき☆すた』というアニメの中の姉妹が居住している神社のモデルであり、OPの映像に毎回映るので印象に残りやすい場所です。

関東最古の鷲宮神社が「らき☆すた」だらけ。埼玉・アニメの聖地へ

この記事の中にはこんな事が書かれています。

アニメ放送前の2007年が9万人だったの対し、放送後の2008年が30万人と一気に3倍となり、2011年からは4年連続で47万人の人が初詣に参拝に来ています。

アニメが人気になれば、放送前から放送後に上昇するのは理解できます。しかし、放送後数年経ち、減るどころか増えたところで安定するというのはすごいことです。

成功と失敗。その原因って?

成功の原因。成功例、その①

『らき☆すた』の成功から考えると、成功には以下の条件があると考えられます。

①作品が大人気に。
②地域が協力的。
③元々魅力的な場所。

①は最大の要因です。しかし、これはどうしようもないところもありますね。
③もどうしようもないですが、これは逆に、何もしないでも達成している場合があります。食べ物とか。これは、作品によるバブル期が過ぎても客が定着する要因としては、最も重要でもあります。
問題は②でしょう。『らき☆すた』の例で言うと、歴史ある神社でアニメのグッズを売ったり、コスプレイヤーを集めるイベントをしたわけですから。勇気ある決断であるとともに、それが愛着を生んだのでしょう。

成功例、その②

続いて、朝の連続テレビ小説で人気だった『あまちゃん』の舞台、岩手県久慈市で、さっきの要因と照らし合わせてみましょう。

①作品が大人気に。=いわずもがな。老若男女幅広く大人気です。
②地域が協力的。公式でロケ地ガイドがあり、復興のためにと一致団結しています。
③元々魅力的な場所。=東北だけに食べ物も美味しく、ドラマそのままの景色が見られます。

岩手経済研究所によると、2013年『あまちゃん』放送後の経済効果はおよそ33億円34万人ほど観光客が増加したようです。

成功例、その③

聖地巡礼が流行語のトップテンに入り、色んなメディアで取り上げられる中、注目されたのが『ガールズ&パンツァー』(通称 ガルパン)というアニメです。テレビで放送した後も賑わっていましたが、2015年末から放映された劇場版が一年にも渡るロングランを果たしたことで人気に火をつけ、さらなる観光客の増加に至ったようです。場所は茨城県大洗町

①作品が大人気に。=上記の通り。
②地域が協力的。=商店街にキャラクターのパネルを置いていたり、イベントも積極的。
③元々魅力的な場所。=漁港があり、海産物が美味しい。

この『ガルパン』において注目したいのは、②が強力なことです。戦車アニメなのですが、商店街の中に手作り戦車が置かれていたりするほど、作品愛にあふれています。
経済的な面では『ふるさと納税』も活かしました。関連グッズを返礼品に加えたところ、受け入れ額が前年度の26倍にものぼったそうです。

失敗の原因

失敗は、逆にこれらの要因のどれかを、あるいは全てを満たしていないケースです。
角が立つといけないので例はあげませんが、最も多い理由は①です。しかし、これに関しては本当にどうしようもないので……。

②に関しては、地域の中で温度差があるケースが多いような気がします。自治体、あるいはお店を経営していたりすると、当然観光客の増加を望みます。しかし、住人にとっては『逃げ恥』のケースのように、ただの迷惑であることもあります。
物語の舞台、というのは特別な場所じゃないことのほうが圧倒的に多いです。そこには普通に人が生活しており、だからこそ「いい迷惑だ」と考えている人がいるのが実情でしょう。

③に関しては、悪くいうと「そりゃ失敗するよ」ってことですね。観光地なら、そもそもそんな場所はないと思いたいですが……。
あくまでも、作品ができるのは『認知を広げる』ことですから、かえってマイナスに作用してしまうかもしれないので気をつけたいですね。

『聖地巡礼』する側、される側の注意点

する側

事前によく調べましょう。その地域に迷惑をかけるような行為があれば、扱いがぞんざいになり、好きな作品を風化させることになりかねません。ビジネスの面でマイナスに作用することになれば、あっさり捨てられてしまいます。
「作品の存続のためにも盛り上げたままでいたい」なら、良いお客様である必要があります。

される側

本気で聖地巡礼で町おこしを狙うなら、本気で作品を愛しましょう。適当な扱いはファンにすぐバレます。
住人とのバランスをとりながら、ファンに対し、サービスとともに注意事項を発信するのも大事ですね。
そして、作品の人気だけでは地域にお金が落ちませんし、作品は生ものです。人が集まる期間に地域の魅力をアピールできれば、作品の人気が落ちてきても足を運んでくれることがあるかもしれません。

まとめ

作品の熱心なファンは、いつまでもその作品のことが語られていたいもの。数年経ってもそこへ赴くのは、そういう気持ちがあってのものです。

訪日外国人消費動向調査では、日本を訪れたときにしたいことという項目で、『映画・アニメ縁の地を訪問』があり、毎回4〜10%ほどの外国の方がそれを選んでいます。国内外で需要が広がっている状況と言えます。

その需要に応えるかどうかは自治体を始めとする地域の方々次第。せっかくのチャンスなので、それを生かし、ウィンウィンな関係を築いてもらいたいものです。

もちろん、迷惑にならないように、ですけどね。

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