忍者修行体験レポート-九字護身法:臨・兵・闘・者…これは何?-

筆者が先日、子ども向けイベントにお邪魔をして受けてきた野忍流忍術の忍者修行体験から、今回は「九字護身法」について、紹介をしますね。
「臨(りん)、兵(ぴょう)、闘(とう)、者(しゃ)、皆(かい)、陳(ちん)、烈(れつ)、在(ざい)、前(ぜん)」と唱え、印を結ぶシーン、皆さんも漫画やアニメ、映画でご覧になったことがありませんか?
筆者は、中学生の頃に見た映画『孔雀王(荻野真・著)』のシーンでとても印象的に覚えています。当時友人たちとも印を覚えたものです。三上博史さん主演の映画で、香港映画で大好きだったユン・ピョウさんの出演にも惹かれました。ドラマにひっぱりだこだったころの安田成美さんもヒロインで出演していました。

この「臨(りん)、兵(ぴょう)、闘(とう)、者(しゃ)…」の九字の印は、九字護身法として、忍術にもとりいれられています。
参加した忍者修行プログラムでも、野忍流忍術を主宰する講師の甚川先生が九つの印を結び、刀印を切りました。これには、わくわくしました。ただ、残念なことに中学生の頃に覚えた印は忘れてしまっていました。

修行体験では、手裏剣体験や弓矢づくりなどやることもたくさんあり、九字の印を覚えて実践する時間はありませんでしたが、甚川先生からは「印を結ぶことで奇跡のようなことが起こるわけではないが、結界をはるという意味があり、おまじないや精神集中の儀式のようなものです」とわかりやすい説明がありました。

九字の印、そして刀印はかっこよくて、懐かしくて…
でも、よく考えると『孔雀王』は、忍者映画ではないし、忍術と九字の印ってどのような関係なのだろうか?と疑問も浮かびます。覚えた印も、もう一度やってみたい!

書籍を参考に、調べてみましたよ。

印と九字護身法

  • 非常に簡単にいえば、印(いん)とは、密教(みっきょう)の宗教理念を、両手と指で表したものだ。忍者のルーツのひとつである修験道は、平安時代に大陸から伝来した密教の教えを導入しており、印もどの時に取り入れられた。

『TheNINJA-忍者ってナンジャ⁉︎-公式ブック』より

  • 九字護身法:晋の葛洪(かつこう)が著した「抱朴子(ほうぼくし)」(4世紀ごろ)内篇巻17「登渉(とうちょく)篇」には、山に入る時に唱えるべき「六甲神呪」に「臨(りん)兵(ぴょう)闘(とう)者(しゃ)皆(かい)陳(ちん)列(れつ)在(ざい)前(ぜん)行(ぎょう)」とあります。古代中国の道教で用いられる呪文です。「臨兵闘者皆陳烈在前」の九字を唱えながら刀印を結んで九字を切り、仏法の印を結んで、わが身に結界をはったのです。結界をはることで、邪気を退散させ、調伏する力を持つと考えられました。これが密教や修験道、陰陽道に取り入れられ、邪気を退散させ、煩悩を打ちくだく魔除けの法とされました。この修法が忍術にも取り入れられ、災難から身を守る呪法と考えられました。

『忍者の教科書 新萬川集海』より

密教や修験道、陰陽道に通じるところで忍術にも取り入れられている法なのですね!
現代の様々な漫画やアニメ、映画に登場するのも納得です。
何より、印の儀式や結界のイメージは、神秘的だしとてもクール!

九字護身法①:九字の印を結んでみる!

参考『TheNINJA-忍者ってナンジャ⁉︎-公式ブック』

臨(りん)!
独鈷印(どっこいん)
左右の指を組み、中指だけ立て合わせる。

兵(ぴょう)! 
大金剛印(だいこんごういん)
「臨」の状態から、人差し指を同じ手の中指に絡める。

闘(とう)!
外獅子印(げじしいん)
左手の人差し指に、右手の人差し指と中指を絡め、2本の間に左手の中指を差し込む。薬指、小指は立て合わせる。

者(しゃ)! 
内獅子印(ないじしいん)
中指と薬指を内向きに絡め、人差し指と小指を立て合わせる。

皆(かい)!
外縛印(げばくいん)
両手の指を外に組み合わせる。

陣(じん)! 
内縛印(ないばくいん)
両手の指を内に組み合わせる。

烈(れつ)!
智拳印(ちけんいん)
左手の人差し指を立て、右手で握る。

在(ざい)! 
日輪印(にちりんいん)
左右の指を開き、親指と人差し指の先を付ける。

前(ぜん)」!
隠形印(おんぎょういん)
左手を握り、右手を寄り合わせる。

九字護身法②:刀印を結び九字を唱え切る!


参考『TheNINJA-忍者ってナンジャ⁉︎-公式ブック』
参加した、忍者体験では、印象的な九字の印と合わせて、刀印も教わりました。これは、右手二本指を刀のようにして、鞘のように包み込んだ左手からぬき、九字を唱えながら右手で空を横と縦に切っていくような法になります。「臨→兵↓闘→者↓皆→陣↓烈→在↓前→」と、下の図のようになります。

小さい頃、『孔雀王』に魅せられ覚えた九字の印を、大人になって本格忍者体験でまた経験するとは思っていませんでした。忍者が唱えた呪文として有名な「九字護身法」も、魔法のような奇跡的な効果があるわけではないことは昔の忍者の時代から変わらないとは思いますが、この呪文の効果は、精神集中にあるということです。印を結ぶと、不思議と高揚しつつも凛と研ぎ澄まされた気持ちになります。近年の研究では、印を結んだ直後の集中とリラックスの高まりが顕著であることが報告されているようです。なんだか、とてもわかります!

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